昔の占星術は、土星までの惑星で星を読んでいました。
昔の人々は、星や星座に神話の神々の名前を付け、物語性を現していましたが、近年近くになり発見された、天王星以降の遠い天体は、他の星にちなんで神々の名前を付けられただけであり、物語的な意味は薄いとされています。
大宇宙の星々は、私たち人間の生命にある小宇宙と同じという考えにおいては、近年の科学の発展に伴い、より生命の深い部分、深層心理への探究が進んだ結果、占星術の世界においても、より心の深い部分を示す星が必要になったと考えられるかもしれません。
土星までの星は、人間の心で言えば、顕在意識から潜在意識の浅いところまでを現し、天王星からは、いよいよ本格的に深層心理の深いところに入っていくと考える事ができるでしょう。
天王星は深層心理への扉を開く
天王星の公転周期は約84年。という事は、ちょうどホロスコープを一生かけて一周するようなイメージとなります。そして一周する間に、自身の誕生時ネイタルチャートにある惑星と、一生に一回のチャンスで関わっていき、その可能性の扉をこじ開けていきます。
つまり、天王星が巡ってくる事で、私たちはより深い精神世界に目覚めていくチャンスが訪れるのだと解釈する事ができます。
天王星は革命の星とも言われるように、その変化が「突然」現れるのが特徴です。土星のようにコツコツ時間をかけて少しずつ変わってくるのではなく、いきなり「パァン」と扉が開かれるのです。
従って、現実の生活の上では、ある日突然、自分が思いもよらぬ形で、何かが急に変わってしまうという事が起こるようです。
これが当の本人にとって、良い変化か悪い変化であるかは、天王星だけでは判断がつきません。他の星との関連から読み解いていく必要があるでしょう。
もちろん長い目で見た場合は、その人にとって必要な進化、精神性の向上の為に起こるべくして起こる変化なのです。
天王星の変化の後に学ぶべき事
さて、天王星がもたらす変化は、多くの方にとって思いがけない急激な状況の変化になるので、戸惑う事でしょう。今までの生活や今までの常識が、突然変わってしまうので、多くの人には衝撃が走る為、「大変な事が起きてしまった!」と感じる人も少なくないかと思います。
だからこそ占星術を学び、その意味を知識として捉えておく事が大切だと思います。
天王星は、精神性の扉を開きます。かつて知らぬ未知の世界を体験する事になります。しかしこの意味は、狭い閉ざされた世界から、広大な自由の世界への開放という意味があります。
天王星の本来の目的は、心の扉を開く事です。これまでの生活や人間関係を壊す事が真の目的ではありません。
従って、天王星の変化が起こった後・・深層心理の自分にアクセスし、本当の自分や、本当に求めているものを確認した後に、無意識の世界に埋没するのではなく(笑)現実の生活に着地するのです。
元の空間に帰ってきたあなたは、心の中は新しいあなたになっています。古い価値観やもう不要となったものは捨てて、本来の自分に気がついたあなたは、場所は同じでも、既に新しい人生を歩み始めている事でしょう。