太陽系の惑星は、太陽を中心に公転、実際は同じ方向にずっと回り続けています。しかし地球から見た場合は、普段とは逆方向に進行する期間があり、これを「逆行」と言います。
星読みの未来予測では、この「逆行」が重要なポイントとなります。順行している星が逆行になるタイミング、逆行の星が順行に戻るタイミングは、エネルギーが大きく変わるので、私たちの精神的なものはもちろん、実際に起こる出来事にも影響が出てくるのです。
そして今日11月24日は、木星が4ヶ月続いた逆行から順行に戻りました。
一般的に火星までの地球から比較的近い惑星を、パーソナルプラネットと呼び、個人の運勢にわかりやすい影響が出てくると言います。木星以降の遠い惑星は、ジェネレーションプラネットと呼び、個人の運勢というより、時代的な変化を見る場合が多いです。
遠い夜空に輝く天体を大宇宙とするならば、私たちの心の中には小宇宙があります。そして大宇宙は小宇宙と同じというワンネスの思想を元に捉えた場合、木星以降の遠い天体は、私たち人間の深層心理の中にある事になります。
であるならば、木星の役割は、私たちの顕在意識と潜在意識の間にある扉の役目なのかもしれません。私たちの自我がエゴとして実感しているものの奥にある、無意識下への扉だと考えられます。だから木星の象徴として「哲学の星」とか「宗教の星」という意味もあるのでしょう。
一般的にトランジットの木星は、幸運の星とか発展拡大の星と呼ばれるよう、何かラッキーで良い事が起こる典型のような星と解釈されています。しかし以前の記事にも書いたように、私の誕生時チャートの太陽に、トランジットの木星がコンジャンクションした時、人生で一番大きな試練が始まりました。私の感覚においては、良い事どころか、最悪の状態に陥ったわけです。
占星術業界をリサーチしてみると、今年のトランジットの木星が試練となった人が多いみたいですね。
木星の本来の意味は、発展拡大です。つまり何か変えないといけない人生の課題があった場合は、その状況を大きくしてしまうという事であり、目に見える状態の良し悪しではないのです。
さらに言えば、良いことと悪いことは表裏一体です。私たちのエゴが望んでいるものと、私たちの生命が望んでいるものは違うのかもしれません。
例えば、エゴが「安定」を望んでいても、生命が「進化・成長」を望んでいたら、安定していた現実が崩れていきますよね。だから「悪いことが起きた」と思っているのは「エゴ」であって、私たちの深層心理から見た場合「成長する機会が来た!」と喜んでいるのかもしれません。
さて、木星の逆行の話に戻ります。具体的な解釈はここではしませんが、私の実感をお話ししようと思います。
先ほども書いたように、トランジットの木星が太陽に来た時に「現実」が壊れました。
その後の逆行期間は、自分自身の「内省」そして「精神的支柱の確立」の時期であったように思います。何度も何度も心を揺さぶられる経験をし、「本当の自分は何か」「一番望んでいるものは何か」「何が一番大切か」「何の為に生まれてきたのか」という事をとことん考えさせられました。この間、葛藤も多く、心が右に左に振れまくるという経験もたくさんしてきました。
私の場合、ネイタルの木星にトランジットの海王星がピッタリとスクエアを組んでいる事もあり、何が真実かわからなくなり、自分に自信が持てず、そして現実的には孤独感を体験することとなり、尚更、内省が進んだのかもしれません。
今日から木星は順行に戻ります。精神の確認の時期は終わり、深層心理への扉は確かに開けたとの確信があります。これまで悩みに悩み抜いてきた、真実の答えも掴めたと自負しています。
そして木星が順行に戻ったことの意味を考えると、これまで精神世界で成長を遂げてきた自分が、現実社会を歩き始めるという事になるのでしょうか。
これまで数ヶ月、大きな変化のなかった現実が、動き始めるかもしれません。そしてこれから迎える新しい現実の中では、過去の私はもういなく、進化成長できた私がいるはずです。
ここから先は未来です。
未来は、星の示す形になっていくのでしょうか?
もしそうであるならば、私は心の底から実感できると思います。
人間を不幸にする星はない。全ての星に意味があり、幸福に向かう為への道標となっている事を。
私たちの生命は、大宇宙の生命と同一です。
であるならば、大宇宙の主体者は「自分」であるはずなのです。