生命の個性占星術の目的

生命の個性占星術の名前の由来は2つあります。

生命の個性占星術は、「個性占星術」を学んでくる中で誕生しました。占星術によって個性を読み、個性を伸ばすヒントを得る、これが個性占星術の基本でしたが、単なる個人のパーソナリティよりも、生命に根ざした、より本質的な個性にスポットを当てよう・・と。つまり「生命の個性」を読む占星術というのが一つ目の名前の由来になります。

もう一つの由来は、人間は宇宙生命と同一の存在であり、人間は宇宙生命から「個」としての使命を与えられた存在である、という思想がベースにあるという事。
「生命」とは全体を示します。そして「個性」とは「個」の特性です。この二つの概念にスポットを当てた解釈を目指していこうという目的が、もう一つの名前の由来です。

従って、現代の占星術でも避けがちな「カルマ」などのテーマにも積極的に取り組んでいくスタイルを取っています。

占星術を多くの人の手に

占星術は、かなり高度な学問です。最近の占星術は、心理学と絶妙に融合しており、その解釈の裏付けも、かなり専門的な基盤があると言えます。

そして、多くの占星術家にとって、「これは何故?」「何故?」と答えを追求し続ければ、どこまでも深く学んでいける深さがあります。私達の一生をかけて学んでも、現代占星術の叡智がいる場所にさえ辿り着けないかもしれません。

しかし知識の先には真実の答えはありません。答えを追求すればするほど、真実からは遠ざかると、私は思います。

これは9ハウス射手座のテーマからも読み解けます。射手座は真実を求めて、遠い世界まで追求し続ける傾向があります。しかし射手座の本当に目指す先は、3ハウス双子座の示す、足元の身近な人に、難しい哲理を「簡単な言葉に変えて」伝えていく事なのだと思います。

例えば、占星術を極めようと、人里離れた山奥の寺に籠り、一生をかけて勉学に励んだとしましょう。周りには向学心に溢れた仲間に囲まれ、一時は幸せを感じるかもしれません。しかし、これでは真の幸福を手にすることはできないのです。
真実の「し」の字を知らなくても、普通の生活の中で、悩んでいる人、困っている人に手を差し伸べて、勇気と希望を与えていく、普通の「おばちゃん」(笑)の方が、尊い人生を歩んでいるのです。何故なら、宇宙生命もこうした「行動の人」を一番大切に考えているからです。きっと。

私達、生命の個性占星術研究所にも、2つのチームがあります。
1つ目のチームは、占星術を哲学や心理学と合わせながら、研究を進めるチームです。しかし、こちらは学びの段階に過ぎず、主体としては考えておりません。
もう一つのチームは、占星術を、なるべく簡単な言葉で、より多くの人に学んでもらえるスタイルを模索しているチームです。

「知識」はどこまでいっても「知識」にしか過ぎません。風の時代という、人類がまだ見たことがない新しい時代を生きる為には、知識を超えた「智慧」が必要だと思います。

智慧とは、物事の道理を判断して処理していく心の働き。物事の真理を見極める力です。

智慧を磨く為には、「体験」が必要です。つまり現実世界の中で自らが体験し、そこから学んでいく事が基本です。「行動」が主体なのです。もちろん「知識」の吸収も学びの一環としては外せません。
そして一番大切なのは、自分で「気づく」という事なのです。

この世界の目には見えない真実を「知識」としても学びつつ、現実世界の中で体現していく事です。もっと簡単に言えば、現実の中でみんなが幸せになっていく為の力です。

知識は、人から人に伝えて、教えていく事ができます。
しかし智慧は、自分で気がつくしかないのです。自ら学んでいくものなのです。

そうであるならば、私達にできる事は「自らが学ぶ機会を提供していくこと」と言えるかもしれません。
生命の個性占星術は、占星術の叡智を、誰でもわかりやすい言葉に落とし込み、自ら学べる「ツール」として提供していくスタイルを目指しています。

カルマの学び

生命の個性占星術研究所が、これまで模索していた大きなテーマがありました。
それは過去世からのカルマとの向き合い方です。

占星術の未来予測では、未来に起こり得る事予測して対策をすることができます。未来予測を天気予報に例えると、雨が降るとわかっていたら、傘を持って歩けば良い、というように、未来に起こる困難を回避することができるのです。

しかし過去世からのカルマは少し違います。
現代の西洋占星術は、神智学がベースとなっており、その神智学はインド哲学と融合しています。つまり前世リーディングやカルマは、インドの思想がベースとなっていることがわかります。
そして過去世からのカルマに関しては、変えられるものと変えられないものがある、と捉えられます。どこかの説で変えられるカルマは20%くらいと見たことがありますが、実際の感覚としては、あながち外れた数字でもない印象はあります。

しかし、この考え方では、運命の80%は決まっているようなもの、と捉えることもでき、真実からは遠のいている気がしてなりません。

このテーマを、どう言葉で伝えていくかが、私共にとっても大きな課題だったのです。

そもそもカルマとは、避けるべきものなのか?という疑問が湧いてきます。
確かに私達の自我レベルの意識からすると、カルマに直面するということは「悪いことが起きる」ことになるので、避けたくなって当然だと思います。しかし私達の無意識にある宇宙生命としての「私」にとっては、過去世からの業を克服して、生命が成長できるチャンスでもあるのです。むしろカルマに直面することを喜んでいるかもしれません。

前回の記事で、「太陽」と「月のドラゴンヘッド・ドラゴンテイル」そして「冥王星」の課題についてを考察しました。
わかりやすく解説すると、「太陽」には乗り越えやすいカルマと人生の課題という成長ストーリーが隠されており、「ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル」には過去世から永遠と続く一番の課題を乗り越えるというストーリーが隠されていることになります。
そして、これらの課題をクリアしていくからこそ、冥王星の示す「生命の本質」の成長が促されることが見えてくるのです。

そうであるならば、カルマは避けるべきものではなく、真正面から向き合うことで、それを乗り越え、成長していく為に必然として起こる「試練」と捉えることができます。

カルマに会わないという運命に変えるのではなく、カルマを打ち破ることで、新しい未来を切り拓いていくと捉えるべきです。

従って、私たちが真に学ぶべきは、未来を切り拓いていく、普遍的な「智慧」を身につけることです。
もちろん占星術だけで答えが出せるテーマではない事は大前提の上、このテーマを前提とした「生命の個性占星術」の目的と位置付けを定めていこうと思います。