ホロスコープは12個のハウスに分かれています。そして各ハウスの定位置に星座が司っており、あるハウスと、そこに入っている星座は同じような意味を持ってくるのです。
またハウスは、人間の人生に例え、1ハウスで誕生した生命は、各ハウスごとの様々なテーマの体験を経て、12ハウスに戻ってくるのです。
自己の確立:1ハウス〜6ハウス
1ハウスは誕生です。本来、宇宙と同一の生命である私たち人間は、宇宙生命から分離をし、「個」としての生命が始まります。
正確には本来は宇宙と同一であるという意識が、深層心理にある壁によって、意識的に「分離」してしまうのでしょう。
人間がまず最初に覚えることは、「自分」の存在です。「これは自分である」と認識することが1ハウスの役目なのでしょう。
次に覚えることは、生きていく為の知恵です。物を認識することと言っても良いかもしれません。服を着ないと寒い、食べ物を食べないとお腹がすく、家の中は暖かい。本能的に生きる為に必要な物を覚えていくのです。
お金は物の代わりです。物(お金)を貯めておかないと生き続けられない。そんな感覚もこの2ハウスのテーマなのでしょう。
ここでは知能よりも五感が大事なのです。
次に、読む聞く話すというコミュニケーションの基本を覚えます。人は一人ではなくて、誰か他の人と一緒にいる。それを教えてくれる存在は、お兄ちゃん、お姉ちゃんの存在です。おじいちゃん、おばあちゃんかもしれません。
そして自分の意志を伝える事を学び、公園デビューをし、少しずつ自分の世界を広げていくのです。
4ハウスは家族や家庭を示します。お父さんお母さんの存在が4ハウスというのも意味が深いですね。子供にとって兄弟姉妹は、一番身近な他人であり、お父さんお母さんは自分と同化している存在と捉えているのかもしれませんね。
ここで家族や家庭が自分の心が落ち着く場所だと知るのです。外の世界を少し見てきたから、親も他人だと理解するのかもしれませんね。
5ハウスは創造の部屋。自分だけの個性に気付き、何かを創ったり自己表現していくのです。
一般的に5ハウスは趣味やクリエイティブと解釈されますが、分野は様々、人それぞれだと思います。個性を発揮する舞台は、人によって全く違うからです。自我に目覚め、自我は確立してきました。自分にしかできない何かを創ることで、自己表現をしていくのです。
「私はここにいるよ!」と力強く叫んでいるのです。
そして6ハウス。膨れあがった自我やエゴは、社会で他者と協調していくにはマイナス要因となりかねません。ここで一回、自己を見直す必要があるのでしょう。
5ハウスで自分というピラミッドの頂点に立った経験を、そのまま引き継ぐわけにはいきません。これからは自分が逆さピラミッドの底辺になり、社会を支えていく立場になることを学ぶのです。
6ハウスは病気というキーワードもあります。これは日常生活を見直すという意味になりますね。
社会へ、そして真理を求めて 7ハウス〜12ハウス
6ハウスまでは自己の確立がテーマでした。そして7ハウスからは他者との関係がテーマになってきます。7ハウスは1対1の対人関係。人間関係の基本の学びの部屋ですね。
この段階では、パートナーはまだ自分とは別の存在という認識です。自分だけを見つめるのではなく、自分以外の存在に目を向け理解していくという、客観性や相対性を学んでいるのです。
そして8ハウス。世の中には自分の力の及ばない、大いなる存在がある事に気がつきます。そしてその目に見えない存在に同化したいという欲求が出てきます。宇宙から分離した私たちは、本能的なところでは還る場所を知っているのではないでしょうか?
しかしここでの同化のアプローチは未熟なのです。確かな存在を感じることはできましたが、その力を正しく使う方法が知りません。結果として他者との間違えた同化をしてしまい、カルマを一番積んでしまうのもこの8ハウスなのかもしれません。この人間関係のカルマは幾世もの過去世で繰り返され、今世に持ち越されてしまうのです。
目に見えない大いなる存在。宇宙や人生の真理、それを思考で理解しようとするのが9ハウスです。ここでは、真実の哲学や宗教などの思想を求めて、旅を続けます。しかし真理に近づこうと努力をすればするほど、真理は遠のいていくのです。
9ハウスで真理を求める人は、思考が先行し、傲慢な心も生まれてしまいます。自分の考えが正しいと錯覚を起こし、他者の思考をコントロールするのです。人間の深層心理には、宇宙生命から個として分離する為の壁があります。この壁のおかげで自己が確立し、他者を認識できるのです。その壁が厚いから、なかなか真理に辿り着けないのかもしれません。
真理は理解するものではなく、現実社会の中で生きるためにあります。私たちは宇宙から、それぞれ役割を与えられて、この社会の中で何かを果たしていくのでしょう。
その個人に与えられた使命を、社会という現実の中で達成する場が10ハウスなのです。
10ハウスは「個」が一番輝く場所です。そして他者を照らしていく場所でもあるのです。
11ハウスは仲間やコミュニティを表します。社会で役割を果たした先に、仲間が出てくるとところに深みを感じますね。
ここでは私たち人間は、宇宙という存在と共に繋がっているとの空間認識が進んでいるのでしょう。宇宙と私はひとつ。宇宙とあなたもひとつ。では、私もあなたも同じひとつの生命なのだとの認識が進めば、争いは起こるわけがありません。お互いが「個」として別の役割を持ちながら、共栄共存しているという感覚も生まれるでしょう。
そしてこれらの繋がりは時間をも超え、過去世からの絆により出会っている仲間なのだと知るのです。
そして12ハウス。大宇宙の生命である私の存在を感じます。私たち人間の、そして宇宙の真理に目覚める場所です。私たちの「個」の存在は、例えるならば、宇宙を大きな海とした場合、小さな波のような存在です。波は海です。しかし確かに存在を表すひとつの「形」でもあります。そして海がある限り、いつまでも無くならない存在でもあるのです。
12ハウスで私たちが知るのは、宇宙という私たちの生命は、どこまでも無限で永遠の存在であるという事なのでしょう。
そしてその真理を確認し、また「個」としての役割に生きるのです。
私たちは宇宙生命に帰ることが目的ではありません。宇宙生命と自覚して、現実の世界を生きていくことが目的なのですから。