生命の本質、過去世のカルマを読む

これまでも幾度と考察してきましたが、占星術で生命の本質や、過去世のカルマを読み解くコツを改めて考察してみます。

太陽は、実現すべき自己を示す

占星術において、太陽は自分自身を表していると言われます。従って、太陽星座が○○座だから、○○座の性質はこうだよね・・と言われても、当てはまらない場合や、ピンと来ない場合もあるかと思います。

これは、太陽の本来の意味は「こうなるべき自分」だからです。つまり「現在」の自分ではなく、「未来」にこうなるべきだよ、というのを表しているという事です。

太陽の意味をもっと深く考えていくと、太陽がある星座と太陽が入っているハウス、その対極にある星座とハウスの過去世を経験していると捉えられます。
対極の星座とハウスで経験してきた人生の結果、その星座とハウスが示す性質が良くも悪くも強調されてしまった。それが生命に「癖」として染み付いてしまったのです。従って、その癖を矯正する為に、今世の人生では「同じ大きなテーマの中での真反対のテーマ」の学びを受けさせられているのです。

例えば、1ハウス牡羊座♈️の対極は、7ハウス天秤座♎️です。

この2つの大テーマは「自我の確立」です。
1ハウス牡羊座では、自分を一人で見つめ直す事で自分を学んでいくステージで、7ハウス天秤座は、パートナーと対比させる事で自分を学んでいくステージです。

1ハウス牡羊座の過去世は7ハウス天秤座で、パートナーに依存しすぎた為に、今世は独りを学びます。
7ハウス天秤座の過去世は1ハウス牡羊座で、自己中心的になりすぎた為に、今世は他者との調和を学びます。

こう考えていくと、1ハウス牡羊座は「自立している」とか「自我がしっかりしている」と捉えてしまいがちなのですが、実は「他者に依存」していて「自我が確立していない」個性の持ち主なのですね。笑

「太陽」が示すのは、今世で実現すべき自己です。
一般的に7歳くらいまでの子供は、太陽星座よりも月星座の性質が出ると言われています。しかし段々と人生経験を積み、太陽っぽい性質になっていきます。そして35歳くらいまでに確立していくと言われています。

でも実際はどうなのでしょうか?占星術の世界では、「太陽」の目指すテーマは、一生かかっても達成できない人も多いという厳しい意見もあります。普通に考えても、30歳前に成長を止めてしまう大人も多いですよね。
やはり自分をしっかりと理解して、目標を定めて、成長し続けていくという「決意」と「行動」が必要な気がします。
「太陽」星座は、素質を示します。それを達成するだけの下地は十分にあるという意味ですから。

月のドラゴンヘッドは更に深い人生のテーマを示す

次にポイントが、月のドラゴンヘッドとドラゴンテイルです。
月は内面の自分を表し、自分の感情や感性などの心の状態を示します。

月のドラゴンテイルは、今の人生に一番大きな影響を与えている過去世と、そのカルマを示すと言われています。
これは、数ある過去世において、一番大きく傷つき、心に深い傷を負ってしまった過去世と読むことができます。この過去世の経験は、その後の輪廻転生の中でも繰り返している可能性が高いです。

いわゆる、完全な負けパターンを覚えてしまったと言ってもよいでしょう。
過去世の傷がトラウマとなり、無意識の内に、同じ傷を負うことへの恐れが生じる。その恐れから自分を守る為に怒りが生まれる。その怒りが元で人間関係を壊してしまう・・みたいなパターンが出来上がってしまうのです。そして幾世もの人生で同じ繰り返しをし、カルマを積み重ねてしまうのです。

ドラゴンテイルは「カルマ」を示しますが、無意識なので自覚できない場合がほとんどです。余程自分を俯瞰して見ないとわからないかもしれません。

ドラゴンテイルとドラゴンヘッドは必ずオポジション、つまり対極にあります。従って、ドラゴンヘッドには、カルマを克服して進むべき未来が示されているのです。

例えば、2ハウス牡牛座のドラゴンヘッドの人は、8ハウス蠍座にドラゴンテイルを持ちます。
8ハウス蠍座の過去世においては、ソウルメイトのような唯一大切なパートナーと間違えた形で心の融合をしてしまいます。そしてカルマを共有し、愛する人との裏切り、そして復讐の連鎖を続けてしまうというカルマを生んでしまいました。蠍座の生命は、過去世の悲しみと苦しみを恐れるあまり「危機的環境」を自ら作り出してしまうのです。
そして2ハウス牡牛座が示す、現実という大地に足をつけ、真実の愛情を交換するという正しい関係を取り戻していく使命を持つのです。

ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルの示すテーマは、太陽の示すテーマのような簡単なものでは無いかもしれません。無意識の中にある自身の持つ最大のカルマを克服していくという、大転換が求められるからです。
そして幾世の過去世で同じパターンを繰り返してきて、カルマを積み重ねてきたという事は、このカルマ克服の課題を、何世代も「失敗してきた」事も暗示しています。

今世こそ、自分の生命を「革命」する機会なのです。
その為に、少なくても無意識に隠された情報を「意識化」する為に、占星術に出会ったのかもしれません。

冥王星のある星座とハウスは、生命の本質を示す

「太陽」が今世で輝くステージでした。「ドラゴンヘッド」が最大のカルマを克服する為の使命を表していました。そして冥王星は、自分自身という「個」の生命の本質を表すと言われています。

本来の私は、何を求めているのか?何を実現するべきなのか?
そして私の生命は、どう進化成長していけば良いのか?

冥王星のある星座とハウスの特性は、自分自身の本質です。本質という事は、やはり幾世もの過去世で、その体験を重ねてきたと捉えることができます。

ちなみに一人の人間の輪廻転生は、○十回、○百回という少ないレベルではないと考えます。永遠という時間の中で、無限の空間の中で、数字では表されないほどの転生を繰り返しているはずなのです。
どうしても人間は、この三次元世界での中、同一時間軸での延長でしか捉えられないようです。一番難しいテーマなので、いずれ詳しく考察したいと思います。

さて生命の本質は、そのままで良いわけではありません。進化成長を望まれているのです。
そして冥王星のある星座とハウス、その対極が進化成長の先と言われています。

つまり今の冥王星がある場所・・・過去から現在まで
冥王星がある場所の対極・・・未来に進むべき方向

として捉えると良いでしょう。もちろん対極どおしの大テーマが重要な鍵となります。

例えば、冥王星が6ハウス乙女座にあったとします。
乙女座の本質は、現実世界で他者に奉仕をする事です。奉仕とは、見返りを求めず行動をする事です。
逆ピラミッドの底辺となり、世界を支えていく役割です。

そしてその生命が向かう未来が12ハウス魚座であるという事は、「普遍の真理を、現実世界の中に活かす事で、他者を幸せにしていく事」と読み解くことができます。

こうして様々な角度から、自分では本来は自覚できない、自分の生命に刻まれた使命を、「知識」として取り出せる事だけでも、占星術の持つ意義は大きいと思います。