木星は12年周期で一周してきます。一般的に木星は、幸運・ラッキーな星と言われているので、トランジットの木星がまわってくる時は大きな期待を持つことでしょう。
私の場合、ネイタルチャートの太陽(魚座)がアセンダントにコンジャンクションしており、2022年の3月には、ここにトランジットの木星(魚座)がコンジャンクションしたので、まさに人生の中で最高と言っていいほどの幸運期の到来なのかと思っていました。
新しい仕事の展開も計画し、このタイミングに合わせて動き出そうとしていました。
ところが現実は、ちょうどこの時が、私の人生最大の試練の始まりだったのです。
トランジットの木星が太陽にコンジャンクションしても、良い事が起きるとは限らない。むしろ土星以上に困難が起きる場合がある。これを身を持って体験してしまいました。
ここで木星の本来の意味は「発展」「拡大」となります。
つまり、運がいい、悪いというより、良いものも悪いものも発展、拡大してしまうという事です。
さらにいえば、現実に本人には見えてないような火種をも、はっきりと目に見えるように大きくしてしまうとも言えます。そしてこの火種は、将来の「発展」「繁栄」の為に、乗り越え、解決する必要があるものと捉えるべきでしょう。
私の経験したパターンのような大きな影響もありますが、一般的なトランジット木星の効果は、土星などに比べ、じわりじわりと出る傾向にあります。なので、これを活かせるかどうかは、自分のスタンスにより大きく変わってくるという特徴もあります。
木星の星座や入っているハウスから自分のテーマを読み、より積極的に活用していく事で、発展・拡大のエネルギーが高まります。逆に何も意識せず、行動もしないと、木星の力を全く活かせないという場合もあるので、占星術を知っている人は強いですね。
さて、ここで木星の意味をもう一歩踏み込んで考えます。
木星は、この先にくる天王星や海王星などの目に見えない精神性のエネルギーを、社会の中に取り込んでいくという役割があります。木星が宗教の星とか、精神性の星と言われる所以もここにあります。
実際に私の経験で言えば、現実の生活では大きな試練が生じました。しかし結果として、私の精神性の向上や改革が始まるきっかけとなったのも事実です。始めようとしていた仕事の質も、当初考えていた以上に大きく広く膨らみました。
特に、「私は何か」というアイデンティティに対する問いが進み、より大きな使命を自覚し、より自分らしく、自分の本質に近づくという、精神性の拡大が進みました。実はこれこそが、木星が太陽という自我にコンジャンクションした最大の効果なのだと実感しています。
星読みでは、一見、目に見える世界の吉凶だけで判断してしまうところがありますが、より本質的な星のエネルギーがもたらす役割を知ることで、見ていく世界が変わるかもしれませんね。