かに座さんは、多くの過去世でやぎ座でした。
社会的に地位が高かったかに座さんは、今で言えば社長をイメージすると良いでしょう。仕事で成功し、社会的な地位や名声を得る為には、個人の欲、特に感情が障害物かのように捉えてしまっていたところがあります。
かに座さんは、基本的に繊細で感情が豊かなのですが、その感情をうまく扱うことができません。何かの感情が原因で仕事がうまくはかどらなかった時、その感情を否定するかのように、怒りで誤魔化すような事をするでしょう。また他の人が感情的に物事を進められなかった時も、それを否定するかのように怒りを表します。まるで情がない人間のように思われてしまうかもしれません。
ある感情に対し、過剰に反応することもあれば、全く無関心になる事もあります。
かに座さんは、何かを成し遂げようとする時に、感情を排除する癖を過去世から引き継いでいます。そして、それを他者にも押し付ける事もあるのです。正しい感情の使い方ができない傾向もあります。
また、過去世が社長などのリーダーだった時の影響で、他人に指示をする傾向があったり、こうするべきだという考え方に他人が従わなかった時、その人を排除することもあるのです。
もちろん、今のかに座さんは、過去のような立場ではありません。
もし場の空気を悪くしてしまった場合、かに座さんに有効な方法があります。それは素直に謝ることなのです。最初はなかなかできないはずです。しかしこれが唯一大切なこともあるのです。
かに座さんは、過去世で極限まで感情を抑えてきたので、これ以上は我慢できないという限界まで感情の爆弾を抱えているかもしれません。これが大きな特徴なのです。
しかし過去世において感情をさらけ出す事はタブーでした。感情を出すことは負けに繋がる原因になった場合もありました。だから今でも感情を素直に表現できないのです。
ここで人間関係のすれ違いが起こります。
かに座さんは抑えてきた感情を全て出すような、情熱的な出会いを心の底では求めています。そして感情豊かな情熱的な出会いも経験するに違いありません。しかし残念なことに、かに座さんが一番求めているものは、一番恐れているものでもあったのです。
この時、どちらの自分を選択するかが、人生を分ける分岐点になるかもしれません。
感情は人間にとって必要なものか?
人間には様々な感情があります。でも一番多いのが、欲であったり、苦しみや悲しみ、恐れや不安、そして怒りや憎しみといったマイナス的なものなのかもしれません。
昔から人間は、これらの感情が自身の成長を拒むものとして、排除しようとしてきました。そこで精神修行のようなものが生まれます。ほとんどの宗教も、これらの感情を排除して心を安定させる事を目的としてきました。
ホロスコープのハウスから見た人生の場合も、下半球では個人のエゴに生きてきた人間たちが、上半球の頂点に位置する9ハウスでは、精神性や哲学性の探究を、10ハウスでは社会的地位の確立を、というように、感情を抑え込んだ形で、ある一定の成功まで登り詰めたと捉えることができるのかもしれません。
しかし、かに座さんの持つカルマのように、成功を収めても、どこかに歪みが生じてしまう事を知ります。そして成功するために捨ててきた感情を、取り戻さないといけない状況になっているわけです。これは人間にとって、不要と思われていた感情も、全て必要なものであった事の裏返しなのではないでしょうか?
私たち人間の心の中には、いわゆるマイナスの感情というか、弱い部分が存在するものです。その弱い部分を恥ずかしいものとして捨て去ってしまっては、本来の幸福には辿り着けないという事なのでしょう。
悲しみや苦しみがあるから、人は成長できるのです。
悲しみや苦しみを体験するから、人は他者を思いやることができるのです。
怒りがあるから、もっと良く変えていこうというエネルギーに変わるのです。
全ての感情は、プラスに転じることができるはずです。
きっと人間にとって、不要な感情などないはずです。
幸せになりたいという気持ち。他者を幸せにしたいという心。世界の平和を望む心。
これらも「感情」があるから生まれます。
感情を無くすのでなく、全ての感情をどうプラスにコントロールしていくかが大切なのだと思います。
感情を取り戻し、感情を表に出していく
かに座さんは、過去世の影響で、誰よりも心の中に大きな感情が渦巻いています。
その感情を出すことに対する無意識の恐れを感じているのです。
しかし感情を出さないことや、間違えた出し方をすることは、本来望まない方向に進んでしまうというレッスンを受けることになるでしょう。
かに座さんは、感情をストレートに表現することを学んでいきます。
自分の中の悲しみや苦しみ、恐れや不安、その気持ちを正直に表に出していいのです。ましてやあなたが今いるステージは、家族というなんでも分かり合える存在に囲まれているのですから。
かに座さんは、自分の感情をストレートに出すことで、物事がスムーズに動き出すという経験もするでしょう。
ちなみに占星術でいうところの蟹座は女性星座であります。守護星は母を表す月、守護神は女神アルテミスです。
あなたが仮に男性であっても、女性的なエネルギーを強く持っていることになります。
やぎ座時代の過去世では、社会的権威のある存在でした。社長さんをイメージしてください。あなたを頼ってくる人が、感情的に落ち込んでいた場合でも、やぎ座さん気質では、感情を殺してでも着実に問題を解決する方法を説くのです。今風に言えば、悩みに打ちひしがれている人に対して、正論をぶつけるような感じでしょうか?
この対応は父親風です。本人は愛情たっぷりに問題解決策を授けたつもりかもしれませんが、相談した側からすれば、自分の感情を否定されてしまったかのように捉えてしまうでしょう。愛情を注いでもらえなかったと受け取るでしょう。
この場合、あなたにとっての正解は、「よしよし、大丈夫だよ。大丈夫だからね。」と受け止めてあげることなのです。相手が何かの痛みを感じている場合は、まずは相手の感情をしっかりと受け止めてあげるべきなのです。
相手はあなたの対応に愛情を感じ、心を開き、次のアドバイスを冷静に受け止めることができるでしょう。
あなたに必要なのは、母親的な対応なのです。
こうして、人間関係においても、何事においても、「感情」が大切であることを学んでいくのです。
誰にも弱い心はあります。それは恥ずかしいことではないのです。むしろ人間らしい感情なのです。それを素直にさらけ出す事で、真の信頼関係や安心も生まれていくのです。
かに座さんは、人間にとっての感情の大切さを証明するのが使命なのでしょう。