前回の記事で、対極にある星座とハウスで、6ハウス乙女座♍️と12ハウス魚座♓️について語りました。
今回はこの対極どおしの組み合わせに、さらに3ハウス双子座♊️と9ハウス射手座♐️の対極の組み合わせも加えて考察したいと思います。
これら4つの星座は全て「柔軟星座」となります。
この4つの共通テーマは、「真理への思考」と「真理の実現」だと考えました。
まず3ハウスふたご座と9ハウスいて座から復習してみましょう。
3ハウス双子座は、読み書き、聞く話すなどの基本的な教育がテーマでした。そして情報収集に明け暮れ、思考を成長させていくのですが、それらの知識を統合する確固たる思想基盤が無いという欠点が強調されました。また教育の場は、あくまで自分のいるすぐ近くの場所でありました。
そこで9ハウスいて座になると、より真実を求めて、哲学や宗教などの高等な思想を追求して学んでいくというステージになります。外国などの遠い場所まで、真の答えを求めて旅を続けますが、真実にどこまで近づこうとしても答えは得られませんでした。そして自分の足元である3ハウスに戻ってくるというストーリーを描きました。
また6ハウスおとめ座は日々の日常を淡々と過ごすのがテーマです。そして分析能力に非常に長けていますが、何かの問題が生じた時には、どこまでも自己分析をして、自己批判に走ってしまう傾向性がありました。
12ハウスうお座は、全てのハウスの中で宇宙生命を感じる能力が一番高く、感受性に優れていました。しかしあまりに感受性が強すぎるので、他者に感情移入してしまったり、自己犠牲に陥るなど、とても傷つきやすい心を持っています。
今回、この4つのグループを対比させた理由は、どのグループも「思考」に優れているという特徴があるのです。ただ思考回路の違いが明確です。
3ハウス双子座♊️9ハウス射手座♐️は帰納法的な思考
まず3ハウスふたご座と9ハウスいて座のグループは、経験則を元に思考する傾向があります。帰納法的な思考を重視するタイプと言って良いでしょう。外から得てきた情報や、自分の経験を元に答えを導いていきます。自分の近場で答えが得られなかったら、どこまでも遠い外の世界まで答えを探し求めていくという求道心を持っています。
どちらの星もコミュニケーション能力に長けていますが、コミュニケーションの基盤が「知識」です。
そして、このグループが導き出す答えは、極めて「正論」です。理由も理論も明快で、説得力にも長けています。従って人生のほとんどの場面においては、人々の良きアドバイザーになるでしょう。
ここで、こう表現したのは、「カルマに直面した時だけは違ってしまう」という一面があるからです。
このグループの思考法は帰納法的です。帰納法的に出てきた答えは、非常に信頼がおけるのです。
しかし自分のデータベースを超えてしまった目に見えない世界の問題に対しては、明確な答えを出せないものもあるはずなのです。
ここで「カルマに直面した時」とはどういうパターンを指すでしょうか?
答えがわからないテーマに遭遇した際、「わからない」というのは勇気です。そして「わからない」が正解なのです。それを「自分はいつも正しい答えを知っている」という気持ちが起こってしまうのが、このグループの人たちのカルマなのです。この気持ちが起きた時、自分の持つ経験則を無理やりつなぎ合わせて答えを出してしまう。その答えが「間違えだと思われたくない」という気持ちが起きてしまい、言葉に言葉を重ねて「相手に自分の意見に従わせようとする」状況を作り出してしまうという「カルマ」を持っていることを自覚しましょう。
もう一度言いますが、わからないことを「わからない」と言えることが勇気であり、正解なのです。
6ハウス乙女座♍️12ハウス魚座♓️は演繹法的な思考
一方で、おとめ座さんとうお座さんは、基本的に演繹法的な思考が得意です。
今世の星座がどちらであり、過去世でうお座を経験しているこのグループは、宇宙の真理を一番理解した生命を持っているのです。従って、大前提から答えを導いていく、演繹法が得意なのです。
6ハウスおとめ座さんの得意な「分析」とは、経験則を元にしていません。情報も必要以上に入手しないです。経験値で言えば他の星座より社会性に乏しいかもしれません。笑
ではなんで「分析」なのかといえば、道理を交えた論理的な思考法が得意だからです。
おとめ座さん(うお座さんも同じですが)の分析方法は、まずありとあらゆる様々なパターンを想定します。根拠など関係なく、空想も混じります。そしてどのパターンが正しいかを論理的に、消去法的に「証明」していくのです。この方法なら、目に見える情報がなくても、経験がなくても判断可能です。
そして厄介なのは、根源の真理を知っている心を持っているために、「答えは自分の中にある」という結論に至ってしまうのです。他の人が悪いのではない、環境が悪いのでもない、状況のせいでもない。「悪いのは自分だ!」となってしまうケースが多いのです。そして自己分析を進め、自己批判に陥ってしまう傾向にあるのです。
この共通した生命の傾向性を持つため、6ハウスおとめ座は、日常の中で現実的な生活に没頭させられたり、12ハウスうお座は、究極に心が崩壊する前に、比較的軽く心が傷つくようになっているのかもしれません。
ちなみに私は、6ハウスと12ハウスが強いので、よくわかります。
まず私は学生の頃、数学だけ飛び抜けて得意でした。
数学は高校生になって途端にわからなくなる人が多いように思います。そこそこできていた人が、途端に全くわからなくなるというケースも多かった気がします。
最近の数学事情は知りませんが、これは高校数学から、演繹的な学習内容に変わってしまうからだと思います。計算の解き方などは、帰納法的に「経験」で学んでこれました。それが突然、他の教科にはない、真逆の思考パターンを求められるのです。
数学は「答え」をイメージすることから入ります。問題を読んだら、まず答えを想像する。そして証明するのです。他の教科は答えを「覚える」ことしかしませんが、数学だけ「想像」からなのです。
私的には、数学以外の教科は、年々覚えることが多くて苦痛でしたが、数学は年々覚えることが少なくなっていくので、「楽」というイメージを持っていました。覚えるのは公式くらい。その公式を「なぜこうなるの?」と帰納法的に考えると難しくなるのですが、公式を演繹法的に「これさえ覚えとけば」と開き直ると楽なのです。笑
柔軟星座のグランドクロス
さて、3ハウスと9ハウスは対極、オポジション180度の位置にあります。6ハウスと12ハウスもオポジションです。そして3−9と6-12はスクエア90°で交わっています。簡単に言えば、この4つのハウスは十字架(クロス)を組んでいるのです。
この4つのハウスに惑星を持ち、それらがタイトな角度で交わっていた場合は、柔軟星座のグランドクロスを持つことになります。
ふたご座-いて座とおとめ座-うお座の共通テーマを「真理の思考」と考えました。この世界の真理はなんなのだろうと考えていくテーマです。それを帰納法と演繹法という相対する思考法で探求する人生といっても良いでしょう。
グランドクロスの意味は、相反する性質に引っ張られつつ、干渉し合うので、自分自身の中になかなか満足がいかない葛藤の心が生まれやすいということです。お互いの惑星の個性が、悪い方向に出やすいので、人生の中で試練や(心の)衝突が生まれやすいという意味です。
このケースの場合、真理への思考上で迷いが生まれやすいと解釈できます。
柔軟星座なので、この迷いは「自分自身の思考が変化しやすく」「一つの価値観を持ちにくい」という傾向になって現れると考えられます。
とはいえ、グランドクロス自体は悪い意味ではなく、「この人生の中で、このテーマをクリアするのだ!」と決意して生まれてきた生命でもあるのです。若いうちは自分の思想が固まらずに試行錯誤を繰り返すかもしれませんが、柔軟に対応していくことで、人生の終盤には確固たる自分の思想を持つことを、自分で決めて生まれてきた・・ということになりますね。
柔軟星座が強調されている人の答えはここにある!
柔軟星座を強く持つ人達は、人生の中で、真理に対する自分なりの「思想」を確立することは、非常に大切なテーマとなると捉えることができます。
そして答えも、ホロスコープチャートの中に隠されていました。
3ハウスふたご座と9ハウスいて座のテーマにおける答えは、真実の探求を探し求めた結果、その答えは3ハウスの示す自分の足元に、自分の心の中にありました。
6ハウスおとめ座と12ハウスうお座のテーマは、現実世界か目に見えない世界か、というテーマを「追求する」というより、周りの人を助けていくという「実践」が大切でした。そしてその実践は、6ハウスの示す「現実世界」の日々の生活の中で実現していきなさいという結論でありました。
宇宙の真理、世界の真実といっても、究極の答えは、現実世界の身近な場所の日々の生活の中にあるということです。
ドイツの文豪ゲーテに大きな影響を与えたといわれる2人の人物がいます。
一人目は母。幼少期にたくさんの本を読み聞かせてくれた母から、想像力を養ったと言われています。
そして師匠との出会い。青春時代に師の元で、詩人、作家として育ちました。25歳に書いた「若きウェルテルの悩み」はあまりにも有名です。
ゲーテは「何かを理解しようと思ったら、遠くを探すな」と語りました。
そして「わたしは人間だったのだ」とも。
超一流の人は、生命の進化どおりの人生を送ってきたのでしょう。まさに9ハウスや12ハウスの学びを経て、最終的に3ハウスや6ハウスの中に答えを見出したかの言葉に胸が響きます。
ちなみにゲーテのホロスコープチャートを見てみました。
魚座と乙女座が強調されているチャートで、若い頃は様々な心の葛藤を経てきたのだと読めました。
また魚座の木星・蠍座の冥王星・蟹座の海王星のグランドトラインに、乙女座の金星がカイトを形成していました。太陽星座も乙女座でした。乙女座らしく生きる事で、まさに宇宙生命の真理を覚知していた生命を発揮し、真実の言葉を永遠に残していくという使命を果たされた人生だったのでしょう。